◆浦安

煙雨が、舞っていた。
東京湾に面した町。浦安に、やってきた。
昭和64年。確かにそこにあったはずの駄菓子屋は無く、なっ。
あれから、かなりの月日が、経っていた。
高層マンションが、建っていた。
駅ビルは正月のセールで賑、わっていた。
コンビニエンスストアの前で、発泡酒を飲みながら、待っていた。
向こうから人が、やって来た。Sだ。

明け方まで駅前の居酒屋で、旧友と、会っていた。
東の空が、かすかに明るく、なってきた。
ポケツトに手を突っ込んだまま一人、海岸に沿って歩いた。
『作られた海だ』
独語した。
海の面に浮かぶ、油混じりの、泡沫。
濁った海の中を、エイが、ユラララ。くだらない、味気ない

鎖を断ってみた。
向こうから人がやって来た。
『勝手に入られちゃ困るよ』
『。。。』
臆病だった。勇気が無かった。
弱かった。強くなって、優しくなろうとした。
小さかった。小さかった。

何か自分でもわからなくて、はっきりしなくて、はてしなくて
、広い、人の醜さで濁った、それでも大きな自然の前の、
何か自分でもわからなくて、はっきりしなくて、はてしなくて
、広い、考える事と、泡沫の畢生。

被告人席に立っていた。刑が言い渡されるのを待っていた。
手段を目的と、間違え、た猿。
それとは違って、目的の為に選んだ手段が法に触れる事、がある。
もう少しだけ、西へ行けばこことは違った正義、がある。のに
正義を損得勘定する、正しくない政治、がある。
肉体を魂から切り捨てた人の話がある。

向こうから人がやって来た。
わくわくした。
捨て身でやってみた。

法に従うのは難しかった。
理性に従うのは難しかった。
殺ってしまった。殺ってしまった。

向こうから人がやってきた。
目覚まし時計が鳴っていた。
おお、善子。


収録曲目
1.横恋慕 2.CDの作り方 3.俺は言いましたか 4.HトIJKLMN 5.肉体労働者とその夫タキラス 6.忘れた傘
            7.煤木さんは隠す 8.オルケストラル. 9.浦安 10.署名者のレース 11.カザリケ 12.御伽三丁目 13.コンマ以下の表象


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